人間ドックで肺活量検査。結果は成人男性平均の半分以下。看護婦が怪訝な表情を見せる。ワタクシメはにこやかに「気管支がおかしいのですよ。」と言い訳する。なんでこんな状況でも愛想笑いするかねぇ。
問診の老医師は、ワタクシメの切なる訴えを却下した挙句心療内科に行けと抜かしよった。判らなくなったぞ。心因性呼吸困難なのか? いいやそんなわけなかろう! 「もっと肩の力を抜いて」と爺医者は言うが・・・・
でも結果はワタクシメの想像とおり、いやそれ以上でした。
胃カメラを待っていると、X線科の看護婦がすっとんできた。
「山猫さん。あ、あの、あなたの肺・・・・・完全に潰れてます!」
「へっ?」
「あの、すぐに病院に行かれたほうが・・・」
「はぁ・・・」一種の虚脱状態を呈するワタクシ。
「写真見てみますか?」
「はい、よろこんで」
わ~~~潰れているよ~!右肺が3分の1くらいになってるよ~!
((((;゜д゜)))ガクガクブルブル
しかし、ここ10日間の壊滅的不調の原因が判って、ワタクシメほっとしたのも事実です。わけがわからん状態が終わったわけですから。同時にあの爺医者に腹が立ってきた。あいつは胸の音すら聞けていないじゃないか!!
ここでワタクシメ失策をしました。せっかくだからと残りの人間ドックも受けて、バリウムをしこたま飲んだ状態で昼飯まで食っちまった。しかも下剤を飲むタイミングを逸した。
潰れた肺を見せられちゃ、仕事うんぬん言ってらんねえ。(おっと突然の江戸前・・・)
IDE-RAID1で片肺飛行しているようなもんだ。
しかももう一方も万全ではない。
トラブルのサーバと同じだったわけだ。あっしのほうが先にギブアップしたが・・・(以上、江戸前でした)
電話で無理矢理予約を入れて、S市立病院へ向かった。飛び込み診察なので、待たされたが、I田医師の診察は簡単明瞭だった。
「自然気胸と言われませんでしたか?」
「はぁ、明確には言われませんでしたが・・」
「自然気胸です。即入院加療が必要です。」
準備が整わないので、拝み倒して時間の猶予を貰ったが
「命に係わることなので本意じゃないですよ。万が一もう一方の肺が同じ状況になったら即死ですからね。」とコワいことをおっしゃる。
後輩Yを運転手にして家にとって帰り、はぁはぁ言いながら準備。そしておそらく最後のタバコを一服(オイオイ)。
病院で最初の検査は胸部X線と心電図。
そのまま荷物抱えながらだから、かなり変だ。
8階のナースセンターに行き、すぐに部屋へ案内。
864号室。6人部屋の入り口。日当たり悪いし、住環境悪いね~! 家賃どれくらい取るんだろ?(笑い) しかも奥のカーテンから、付き添いらしい婦女の声「なんか若い人が来たわよ」 若い! 厄年バリバ~リのワタクシメが若いとは、この部屋は老人ホームですかい?
息つく間もなく、主治医が来たよ。
「山猫さんですね。わたしが担当医のISAです。よろしくお願いします。」
って、あ~た女子高校生ですかい? というくらいISA先生は若いおなご先生だわ。かわいいねぇ~。あいや、普段なら諸手をあげて歓迎するのですが・・・・・・あの~命を預けるにはちょいとお若い感じが・・・・・・あ、いえいえ、信頼してますよ。国家試験を突破していらっしゃるわけですし、女子高生が医師試験通るはずないんで・・・・・で、一体ISA先生、おいくつ?
なんて、ワタクシメの疑問にはひとつも答えず、病状と治療法をご説明くださる。おっと、こっちのほうが患者として知りたいことですね。HAHAHA
虚脱(潰れた)具合を見ると自然に膨らむのは絶望なんですって。要は強制的に胸腔内に溜まった空気を吸い出して、肺を元の大きさに戻すための処置をするらしい。
肺に孔を開けるんでスカイ? いや正確には胸腔に孔を開けるらしい。そうしてドレインのチューブを通すらしい。ううう・・・・それって簡単なオペじゃん!メス使うんじゃん!
でも通されたのはあの鼻管プレイをした処置室だ。いいんですかい? こう無影燈があって緑の手術着を着て・・・・・ まあいいか。 ここで執刀医を待つわけね。 ってかわいいISA先生が手袋付けて登場!ドレインチューブ挿管プレイを行うという。
うひゃあ~想定外でしたよ。不安感じなかったといえば嘘になるね。
ただもうワタクシメといたしましては所謂まな板の上の恋でして、ああなんというか、たっぷり時間をかけていただいて、酔いしれました。
看護婦が「終わりましたよ。よくがんばったわね。」
と言った相手はワタクシメじゃなくてISA先生だったのでは? でもあとでいろいろ調査して判ったけど,この処置って個人差(うまへた)があってタイガイ患者は痛い目を見てるんですよね。でも全然痛くないですよ。ISAちゃん! あなたってもしかしてドレインチューブ挿管プレイの天才?
右わき腹上部からひょっこり出ているチューブはすぐに吸引装置(20x25x10cm。自走能力なし)に繋がれました。 これでワタクシメは吸引装置を引きずって生活する羽目になりました。こいつがどうも役立たずの駄犬に見えて仕方がない。すぐに愛称『ポチ』の称号を謙譲しましたですよ。この『ポチ』に逆らい動くとワタクシの皮膚および肉および骨に多大な負担が掛かります。ワタクシメの自由意志は『ポチ』よりも下位におかれた訳であります。ううう・・・・山猫のワタクシメが犬よりも下位?
屈辱であります!!!
もう病室に帰るのも車イスですよ! すっかり病人ですよ! で付き添った看護婦がどうも前回入院時に出入りしていた娘らしく話しかけてきた。
「前も入院なさってましたよね。」
「ええ、血を吐いてね。とんだ出戻りですよ。ごぼごぼ。」
ごぼごぼというのは吸引装置に出てきた泡。つまりは我肺を潰しているにっくき空気だよね。
おおーっと記憶が蘇った。あなたはS山看護婦さんでしたね。ワタクシメの胃液を掠め取っていったのはもしやあなた様では?
水だけによる陰圧で、息苦しさと咳の発作は影を潜めました。
それは直後に撮った胸部X線にも如実に現れたらしく
ちょうどA部長と後輩Yが見舞いに来た時に、ISAちゃん来たりて、「経過は順調ですよ!」と、にこやかにOKマークを残していった。
こりゃ、いい休息入院かな?
と思ったのは当然だろ?
でも現実は甘くなかったよね。そう・・・・あの失策がワタクシメを地獄に叩きこむのでした。
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